涙嚢炎

前回おはなしした、涙の流れをもう一度みてみましょう。

涙は図のように、

目の上のほうにある涙腺から出てきます。

その後、目の中を潤し、

鼻側にある涙点を通って鼻のほうに抜けていきます。

 

このとき、何らかの原因で、鼻涙管(びるいかん)が狭くなったり詰まったりすると、

涙が涙嚢(るいのう)にたまってしまうことになります。

涙には目の細菌や異物を洗い流す作用もありますので、

涙嚢にたまった涙には細菌や異物が含まれることになります。

それにより炎症が起こってしまうことを涙嚢炎(るいのうえん)といいます。

涙嚢炎になると、目やにや涙がダラダラ出るようになってしまいます。

さらにひどくなると、真っ赤に腫れあがり痛みを伴うようになってしまいます。

眼科では、鼻涙管が詰まっていることが疑われた場合には、

涙管通水検査(るいかんつうすいけんさ)という検査をおこないます。

涙点から水を通してみて、鼻のほうに抜けていくかを調べる検査です。

鼻へ抜けずに涙点から逆流するようなことがあれば鼻涙管が詰まっている可能性が考えられます。

大人になってから鼻涙管が詰まるのは年齢による変化であることが多いです。

治療としては、鼻涙管を広げ、再閉塞しないようにチューブを留置しておきます。

チューブは2~3か月程度留置したのちに抜去します。

それでも再閉塞してくるような症例や、

チューブ自体を留置できないほど鼻涙管が狭い症例では

涙道鼻腔吻合術(るいどうびくうふんごうじゅつ)という手術をおこないます。

何度も目が腫れたり目やにがでるような場合、鼻涙管が詰まっているかもしれません。

治療で比較的改善しますので、そういった症状でお困りの方は眼科受診してみてください。