タバコと眼

タバコにはニコチンや一酸化炭素などが含まれるため、

人体のさまざまな部分に影響を及ぼします。

肺がんや咽頭がんなどは有名かと思いますが、

眼にとってはどのような関連があるのでしょうか?

 

まずはニコチンや一酸化炭素が体内にどのような影響を及ぼすかみていきましょう。

 

ニコチンは交感神経刺激作用があります。

交感神経が刺激されると、血圧が上昇し、心拍数も増加します。

また、血管が収縮するため、運ばれる酸素の量も減少してしまいます。

運動している時の状態と同じような感じになります。

 

一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合する性質があります。

本来ヘモグロビンは酸素と結合し、各組織に運搬する役割を担っています。

しかし、一酸化炭素はその酸素を押しのけてヘモグロビンと結合します。

それにより、各組織で酸欠の状態になってしまいます。

 

また、体内で活性酸素も発生してきます。

活性酸素が増加すると、酸化ストレスを起こし、炎症につながってきます。

 

それぞれの働きにより、血管収縮、酸素欠乏および炎症を起こし、

眼においてもさまざまな病気を引き起こしてくる可能性があります。

具体的には甲状腺眼症、加齢黄斑変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、白内障のリスクに

なることが示されています。

 

最近は電子タバコも主流になってきています。

電子タバコはリキッドを電熱線の発熱により気化させ、それを吸引するものです。

リキッドの成分がさまざまで、内容によって人体への影響も変わってきます。

日本で市販されているものに関しては、

ニコチンは含まれていないようなので上記の眼への影響は少ないかもしれません。

ただ、加熱式タバコといって、タバコの葉を加熱して吸引するものに関しては、

結局はタバコ同じ成分ですので、眼への影響もタバコと変わりないと考えていいでしょう。