ルクスターナ

2023年8月、ルクスターナという薬が使用できるようになりました。

今まで治療方法がなかった病気に対しての薬で、大変夢のある薬です。

今回はその薬についておはなしいたします。

 

ルクスターナは網膜ジストロフィという病気に対しての治療薬です。

網膜ジストロフィとは、遺伝的な要因で網膜が変化してしまう病気の総称です。

この中には網膜色素変性症などといった病気が含まれています。

網膜色素変性症は、厚生労働省の指定難病にも挙げられている病気です。

急激に進行することは少ないですが、徐々に視力が低下していき、

視野もかなり狭くなってしまう可能性があります。

最近ではiPS細胞を移植する治療が少しずつ進んできているようです。

ルクスターナはそういった病気の治療薬ではありますが、

現時点ではRPE65という遺伝子に異常が認められる病気にのみ使用が可能となっています。

この遺伝子に異常を持つ網膜ジストロフィの方は生まれつき視力が非常に不良であることが多いです。

治療ができるようになったのはいいのですが、

対象となるかたは5年間でおよそ15人程度ではないかとのことです。

使用のためには遺伝子検索も必要となります。

ルクスターナはその価格においても話題になりました。

1本の薬価が4960万円で、両眼の病気ですので2本必要、約1億円となります。

注射するにも網膜の下に注入する必要があり、手術をおこないながらの注射となります。

現時点では国内で使用できる施設も2施設しかありません。

かなり制約も多い薬ではありますが、

治療により改善する症例が多くなってくればさらに適応が拡大されていくことも考えられます。

今まで治療できずに様子を見るしかできなかった病気が治療できるようになっていけばいいですね。