体型とドライアイ
世界的に肥満体型の方が増えてきているそうですが、
そういった方において体内ではどういった変化が起こっているか、
いろいろな分野で研究されるようになってきました。
眼に関してはドライアイについての結果が報告されている(Eye & Contact Lens. 2021.)ので
ご紹介します。
40~74歳の男女約8万5千人を対象としておこなわれた研究です。
体格指数であるBMI(Body Mass Index)とドライアイとの関係を調査しました。
BMIは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で示される、体型の指標です。
18.5以上25.0未満が標準体型とされています。
ドライアイについてはアンケートに基づいて評価されています。
その結果、対象の中でドライアイの割合は男性 16.4%、女性 29.1%となっていました。
そして、BMIが高いと(肥満傾向にあるほど)男性ではドライアイの有病率は低下しており、
女性でもBMIが高いほど有病率は低下している傾向にありました。
つまり、『肥満体型の方はドライアイになりにくい』ということが示されました。
今回はアンケートによる自覚症状でドライアイを診断しています。
肥満になると末梢神経が障害されやすいため、
ドライアイの症状も感じにくかった可能性があり、
それがこの結果につながったのではないかと考えられました。
また、アンケートでは、BMIが高かったグループでは
デジタルデバイスを使用する時間も少なかったようです。
デジタルデバイスを使用するとドライアイは悪化しやすいため、
そういったことも影響していたのかもしれません。
実際、ドライアイを診察して診断した結果ではないので、
どこまでの信頼性があるかはわかりませんが、
体型とドライアイの症状との関連があるというおもしろい結果だと思います。