加齢黄斑変性症の原因

黄斑部が傷んでしまうため、日常生活に支障をきたしやすい

加齢黄斑変性症(詳細は加齢黄斑変性症をご参照ください)ですが、

どういったひとがなりやすいのでしょうか?

 

加齢黄斑変性症の危険因子として、喫煙、紫外線、食生活などがいわれています。

 

  • 喫煙

 2007年に久山町でおこなわれた研究では、

喫煙が加齢黄斑変性症の発症にかなり関連していることが示されています

(あたらしい眼科. 2009.)。

ニコチンは血管を収縮させ、血流を悪化させてしまいます。

そのため、栄養分や酸素も不足し、神経が障害されてしまいます。

網膜は神経でできているため、喫煙の影響を受けやすい場所ですので、

喫煙している方は注意が必要です。

  • 紫外線

 紫外線は活性酸素といって、体にとって老化を進めてしまう物質を増やす作用があります。

紫外線は直接目の中に入り、黄斑に届いてしまうため、

その部分での老化現象が進んでしまうと、加齢黄斑変性症を発症してしまいます。

サングラスなどで紫外線による障害を予防するのは対策として有効です。

  • 食生活

 脂肪分の多い食事は、

加齢黄斑変性症のリスクを悪化させてしまいます(The British journal of ophthalmology. 2020.)。

高脂肪食も活性酸素を増加させてしまうことが知られており、

その作用のために加齢黄斑変性症が発症しやすくなってしまいます。

 逆に、活性酸素を減少させることにより加齢黄斑変性症の発症を

予防していくことができるとされています。

活性酸素を抑える物質としては、βカロテンというビタミンAの仲間の物質が知られています。

 さらに、黄斑の色素であるルテインやゼアキサンチンという物質は、

人間の体内では作られず、積極的に食事などで摂取することでしか補充できません。

これらの物質は緑黄色野菜に多く含まれるため、

野菜を多くとることが加齢黄斑変性症の予防に有効とされています。

 ビタミンやルテイン、ゼアキサンチンなどはサプリメントとしても販売されており、

比較的簡便に加齢黄斑変性症の予防に利用できると考えられます。

 

加齢黄斑変性症は発症してしまうとなかなか完治することが難しい病気です。

完全に発症できなくするわけではありませんが、

禁煙や紫外線予防、サプリメントなどである程度の予防効果が期待できます。

気になることがあれば眼科でたずねてみてくださいね。