抗VEGF薬の副作用

前回、VEGFについて述べさせていただきました(VEGF)。

非常に効果のある薬ですが、やはり副作用の可能性もあります。

今回はそれについて述べてまいります。

 

抗VEGF薬の大きな特徴として、硝子体注射という方法で投与する必要があります。

白目のところから、直接針を刺して注射をおこなう方法ですが、

この方法によって起こる可能性がある副作用がいくつかあります。

  • 感染

注射の際にばい菌が一緒に入ってしまうと

それにより眼の感染症を引き起こす可能性があります。

予防のために注射をするときには消毒した状態でおこない、

注射前後も抗菌薬の点眼をおこなっていただきます。

  • 眼圧上昇

眼の容積は限られていますが、そこに液を注射するため、必然と圧が上昇します。

基本的には一過性ですので様子を見ることが多いです。

  • 白内障

注射の際に針が水晶体にあたったりしてしまうと白内障になってしまいます。

視力低下につながるようなら白内障手術が必要となります。

  • 結膜下出血

注射の際に白目の部分の血管を傷つけてしまうと、部分的に目が赤くなってしまいます。

時間とともにおさまるため様子をみていきますが、

引くまでに時間がかかる方もいらっしゃいます。

 

また、脳卒中の副作用も言われています。

すごく確率の低い副作用ではありますが、全身に影響をおよぼすため、

以前に心臓や血管の病気があった方には十分な注意が必要です。

 

基本的には副作用を起こすような症例はあまりありません。

安全な治療ではありますが、疑問点などあればご相談いただければと思います。