白内障手術のおはなし

前回は白内障について説明させていただきました(白内障について)。

今回は白内障治療の中心となる、白内障手術について詳しくみてまいります。

 

白内障手術に用いられる機械はずいぶん進化しています。

昔は6mmくらいの傷口で手術がおこなわれていました。

いまでは1.8mm程度の傷口からでも手術可能となっています。

そのため、眼の負担も減っており、今では白内障治療の第一選択となっています。

 

手術は一般的には局所麻酔、眼だけの麻酔でおこなわれます。

痛みなど気にされる方も多いと思いますが、

いつも患者さんには「歯医者さんと同じような感じ」と

説明させていただいております。

手術中は触られている感じ、重い感じ、押さえられているような圧迫感、

などはありますが、痛いという感じはあまりありません。

手術中、会話もできますので痛みなどあれば

おっしゃっていただければスムーズに手術がおこなわれると思います。

目の消毒をして、

手術中はお顔にドレープというカバーをかけた状態になりますので、

覆われていて何も見えません。

手術するほうの目だけはカバーされておらず、

前からまぶしい光がはいってきます。

非常にまぶしいのですが、時間とともに慣れてきます。

こういった状態で手術がはじまっていきます。

手術が始まると、

まず連続円形前嚢切開(CCC)をおこないます。

水晶体は水晶体嚢で包まれていると

以前説明させていただきました

(白内障について)。

濁りも水晶体嚢のなかにありますので、

まず中の濁りをとれるよう、

前嚢をくりぬいていきます。

これをCCCといいます。

CCCをおこなったのち、

核の処理にうつっていきます。

 

核の処理をする際には超音波を使った特殊な機械を使用します。

濁ってしまった核は硬くなってしまっているので、超音波を加えて細かく分割し、

小さい破片にして吸い取っていきます。

これを繰り返すことで核をきれいに吸い取ることができます。

核が処理できてもまだ皮質が残っている状態です。

皮質は柔らかいため、超音波をかけることなく吸い取ることができます。

核、皮質が処理できたら中身がきれいになった水晶体嚢のみが残ります。

この水晶体嚢のなかに、眼内レンズを挿入し、

あとは余計なごみを取り除き、

傷口がしっかり閉じていることを確認して

手術を終了します。

 

手術後はその日は一般的に眼帯をつけて生活していただくことが多いです。

術後すぐから見え方は改善することもありますが、

基本的にはすこしずつ見え方が良くなっていくと思っておいた方がいいと思います。

また、もともと眼に他の病気がある場合には

思っていたほど視力が出ない、といったこともあります。

自身の眼の状態をしっかり把握したうえで、手術に臨むようにしましょう。