睡眠と緑内障
実は寝ている間は眼圧がちょっと高くなります。 これは姿勢によるもので(体位と眼圧もご参照ください)、 心臓の高さと眼の高さが近くなるため 眼圧が高めになります。 このことは緑内障において、 どのように影響してくるのでしょうか? |
睡眠が緑内障に与える影響を調べたところ、
睡眠時間が7時間より短い、9時間より長い、不眠症を持っている、
いびきをかくことが多い、日中に眠気を感じるといった患者さんにおいて、
緑内障の進行リスクとなるという報告がありました(BMJ open. 2022. )。
長時間の睡眠はやはり眼圧の影響で、緑内障の進行リスクになるようです。
しかし、睡眠が短くても緑内障のリスクになるようです。
不眠症などでは、体内のホルモンバランスの影響を受け、眼圧が上昇しやすくなるそうです。
また、いびきをかくことが多い、日中の眠気を感じやすいというのは
睡眠時無呼吸症候群という病気の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に呼吸が一時的に止まってしまっていることがある病気です。
この病気の方は無呼吸のときには眼圧は下がっているとされています。
しかし、体内の酸素濃度が少なくなってしまうため、視神経がダメージを受けやすくなり、
緑内障のリスクとなってしまう可能性が考えられています。
睡眠にトラブルを抱えている患者さんは、緑内障になったりしていないか、
眼科でチェックしてみてはいかがでしょうか?