緑内障と網膜静脈閉塞症
緑内障は視神経がダメージを受けてしまう病気、
網膜静脈閉塞症は血管が詰まってしまい出血してしまう病気ですが、
実はそれぞれの病気に関連があることがわかりました。
関連する論文をまとめて解析した結果として、
緑内障は網膜静脈閉塞症のリスク因子になることが報告されました(Acta Ophthalmologica. 2019. )。
臨床でも緑内障の患者さんは網膜静脈閉塞症をおこしやすい印象がありますが、
それが論文でも示されたことになります。
実際、緑内障の患者さんは正常の眼の方と比較して約4倍の網膜静脈閉塞症発症率になるようです。
緑内障では視神経の形が変形してしまいます。
網膜の血管は視神経の近くを走行していますが、
変形した視神経の近くを通るときには圧迫されやすくなります。
こういったことにより、緑内障の患者さんでは網膜静脈閉塞症のリスクがあがると考えられています。
また、緑内障で眼圧が高いかたは常に血管も圧力を受けている状態です。
その圧力によりさらに血管が詰まりやすくなってしまいますので、
眼圧コントロールも重要となります。
緑内障の患者さんでは、他の眼の病気を起こしてこないためにも
眼圧コントロールを継続していきましょう。