緑内障と幸福度
緑内障の患者さんは、自分のことが幸福ではないと感じている方が多い、
という報告があります(BMJ Open Opthalmol. 2024.)。
今までに緑内障があるといわれたことがある方を対象に質問をおこない、
その結果をまとめた報告です。
『ご自分がどれくらい幸せだと感じていますか』と質問し、
『大変幸せ』『幸せ』と答えられた方を『幸福』とし、
『どちらともいえない』『幸せではない』と答えられた方を『幸福と感じていない』と評価しました。
完全にその方々の主観での答えです。
その結果、緑内障がない方と比較して、
緑内障の方は幸福と感じていない割合が
男性で26%高く、女性で5%高いという結果になったそうです。
とくに、40~59歳の男性で緑内障がある方は、緑内障がない同年代の男性と比較して、
幸福と感じていない割合が40%も高いという結果となっていました。
視覚障害は失業や不完全雇用との関連が報告されており、
若年の男性緑内障の方は、とくに視野障害よる雇用環境や収入の変化などに不安を感じている
可能性が考えられるとのことです。
また、緑内障は若い段階で発症することも多く、
『将来見えなくなるのではないか』という不安なども
心理面で影響を及ぼしているのではないかと考えられます。
今は緑内障治療も選択肢が多くなり、早期に治療できれば失明に至ることも少なくなってきています。
病気についてしっかり理解し、早期発見、早期治療を心がけたいですね。