緑内障と生体リズム

からだの中には一日の固有のリズムがあります。

このリズムを生体リズムといい、

睡眠、体温、循環などに関連するホルモンの

バランスにより成り立っています。

生体リズムはメラトニンというホルモンによって

調節されていることが知られています。

 

このメラトニン、緑内障患者さんにおいて減少していることが示されました

(Journal of Pineal Research. 2020.)。

実はメラトニンは目から入ってくる光の量により調節されています。

白内障などがあると、目の中に入ってくる光が減少するため、

メラトニンの量が減少してしまい生体リズムを崩してしまいます。

それにより睡眠障害や高血圧などの原因になってしまうそうです。

緑内障では目の中に入ってくる光は減少することはありません。

しかし、光を受け取る網膜の細胞が傷んでしまうため、

目は暗く感じ、メラトニンの量が減少すると考えられます。

その場合、やはり白内障の時と同様、生体リズムを崩しやすくなります。

実際、緑内障の患者さんでは睡眠障害やうつ病をもっている割合が

健常者と比較して高いといわれています。

当然、緑内障が進行すればするほど生体リズムを崩しやすくなると考えられますので、

緑内障の進行を少しでも抑えていけるよう、早期発見・早期治療を心がけていきましょう。