視力の発達について
人間は情報の8割を目から得ているとされています。
そのため、体のほかの部分と比べると比較的早く発達し、
7~8歳くらいにはほぼ大人と同様の視力になります。
今回は目の発達について、述べてまいります。
生後2か月くらいまでは動くものがわかる程度しか見えていません。
生後3~4か月くらいでぼやっと見えるようになってきます。
約1歳で視力が0.3程度、約2歳で0.6程度となります。
だいたい4~6歳で1.0の視力を獲得します。
特に、このころに視力が悪いまま治療しなければ、
将来にわたって視力が悪いことが多くなってしまいます。
3歳までが特に重要とされ、そのために3歳児検診がおこなわれています。
お子さんで視力が出にくい場合、以下の可能性が考えられます。
- 遠視の場合
近視は近くを見るときにピントを合わせることができますが、
遠視はどこにもピントを合わせることができません。
その場合、ずっとぼやけた世界しか見えていないため、視力が成長しにくくなります。
- 斜視などが隠れている場合
斜視があると両眼で見たときに二重に見えやすくなります。
どうしても片目で見たほうが見えやすくなってしまうため、
使わないほうの目の視力が成長しにくくなってしまいます。
- まぶたが下がっていたり、白内障があったりして目に光が入らない
目は光を感じて成長していきます。
光が入るのが邪魔されてしまうと、視力の成長も邪魔されてしまいます。
- そのほか、緑内障や網膜などの病気がある場合
このように、視力が出にくい場合、さまざまな原因が考えられます。
状態に合わせた治療が必要となりますので、
見えていなさそうなそぶりなどあれば、眼科でご相談ください。
話したりできない小さなお子さんに対して、
ご家庭で簡便に見えているかを確認する方法をご紹介いたします。
こちらを向いていただいて、手で片目を隠します。
そのさいに顔を背けるなど、いやそうなそぶりがある場合、
隠していないほうの目が見えにくい可能性があります。
片目ずつチェックしてみましょう。
最近では3歳児検診のときに、
フォトスクリーナーという機械が導入されている自治体も増えてまいりました。
この機械はお子さんの目に触れることなく、
離れたところから近視や遠視などといった度数のチェックができ、
さらに斜視などが隠れていないかも評価できます。
うまく使いこなせれば非常に有用な機械で、タイミングを逃すことなく治療開始できます。
弱視のお子さんを減らすことができると考えますので、
より多くの自治体で導入されればと思います。