代表的な目の症状
○見えにくい
見えにくさの原因はさまざまです。時間を指定できるような(数時間前から、など)急激な見えにくさの自覚は緊急を要する病気である可能性もあります(網膜動脈閉塞症、硝子体出血、急性緑内障発作など)。そういった自覚症状の方はすぐに眼科を受診ください。徐々に見えにくくなっているといった、ゆっくりした経過であれば急いで受診する必要がないことが多いです(近視、遠視などの屈折異常、白内障、緑内障など)。目の状態に合わせた適切な治療を受けるようにしてください。
○目が痛い
チクチクする、ごろごろするといったものから重いような鈍痛まで、さまざまな痛みの種類があります。その中でもすぐに眼科受診した方がよいのは、目が開けられないくらいの痛み、および吐き気を伴うくらいの鈍痛がある場合です。目が開けられないくらいの痛みは、角膜に傷がついているような場合(角膜びらん)などが考えられます。適切な治療が行われないと感染を起こす恐れもあるため注意が必要です。吐き気を伴うくらいの鈍痛は、もしかしたら急性緑内障発作かもしれません。放置すれば失明する可能性もある病気ですので、すぐに眼科受診することをお勧めします。
○目が疲れる
パソコンやスマートフォンの作業を長時間繰り返していませんか?デジタル操作によるVDT症候群は眼精疲労だけでなく、体のいろいろな部分で異常を来たします。眼を休めたり、遠くを見る時間を設けて疲れが溜まりにくいようにしてください。ドライアイも来たしやすくなりますので、目の状態にあった点眼が必要となることが多いです。
○目が赤い
全体的、部分的を問わず真っ赤になることが年齢とともにでてきます。結膜下出血といって、白目の部分の血管が切れたことによる赤みで、普段と見え方が変わりないようでしたら急いで眼科受診する必要はないことが多いです。目が血走っているような赤み、普段より見えにくさを感じる、目やにもでている、などの症状があるようなら結膜炎などの感染症やぶどう膜炎など、目に炎症を起こしていることも考えられます。この場合は治療が必要ですので眼科でご相談ください。
○目やにが出る
正常な状態でも目の健康維持のために目やにはでます。ただ、非常にだらだら出る、目やにで目が開きにくい、などの症状があれば結膜炎などの感染症も疑われます。他の人にうつる場合もありますので、すぐに治療が必要と考え、眼科受診いただきますようお願いいたします。
○歪んでみえる
普段は両目でものをみるため、あまり自覚症状としては多くありませんが、片目ずつで見ると歪んで見える方がおられます。そのような症状がある場合、加齢黄斑変性症や黄斑上膜、黄斑浮腫、中心性漿液性脈絡網膜症といった、黄斑部(ものを見る中心部)に異常を生じている可能性があります。黄斑部の詳細を評価できる機械(当院の医療機器)もございますので、眼科にてご相談ください。
○ものが二重に見える
片目で見たときに二重に見えるようでしたら白内障やドライアイなどの可能性があります。片目で見たときに問題なくても両目で見たときに二重に見えるようであれば、眼の神経や筋肉の動きに異常が生じている可能性があります。頭部の動脈瘤などが原因のこともあり、放置すれば命にも関わる可能性があるため、早急に眼科受診することをお勧めします。
○糸くずのようなものが見える
虫のような黒い点や糸くずのようなものがフワフワ漂い、目を動かすと一緒にゆっくり動いてくるようなことがあります。これを飛蚊症といいます。基本的には年齢的な変化で生じるものであることが多いですが、飛蚊症の量が多いときや大きなものが飛んでいるときは要注意です。その場合、網膜裂孔や網膜剥離、硝子体出血に伴う症状であることがあり、レーザー治療や手術加療が必要となることもありますので、眼底検査を行うことをお勧めします。
○まぶたが下がる
まぶたの筋肉が加齢とともに弱くなってくると、まぶたが下がってくることがあります。また、目の上の皮膚がたるんでくることでもまぶたが下がったように見えます。眼瞼下垂症、眼瞼皮膚弛緩症といった病気が考えられます。いずれも見えにくさを感じる、まぶしいなどといった症状があるようでしたら眼科にてご相談ください。突然発症した眼瞼下垂(まぶたが下がること)はまぶたを動かす筋肉や神経が障害された可能性があります。その場合は頭の中の病気が目に影響を及ぼしている可能性もあり、いそいで眼科受診するようにしてください。