冬に多い眼の病気
寒くなってくると起こりやすい眼の病気もあります。 以前『夏に多い眼の病気』について おはなししましたが、 今回は冬についてのおはなしです。 |
急激に寒いところに移ると、体温を逃がさないようにするために体内にある血管が収縮します。
血管が急に収縮すると、血管が詰まりやすくなったり、切れてしまいやすくなったりします。
眼の血管に異常が起こる病気には、
『結膜の血管が切れてしまうもの』と『網膜の血管が詰まってしまうもの』に分けられます。
どの部分で起こったかが違っており、それにより症状が違ってきます。
結膜の血管が切れる病気には『結膜下出血』という病気があります。
結膜、つまり『しろめ』の血管が切れてしまい、真っ赤になってしまいます。
結膜のすべてが真っ赤になるかたもいらっしゃいますが、
多くの場合は部分的に真っ赤になります。
見た目は派手で周りからもびっくりされるような状態ですが、
違和感はあるもののいつもと同じ見え方が維持できている方が多いです。
出血の量にもよりますが、3日~1週間程度で改善することが多いです。
『網膜の血管が詰まってしまうもの』には血管の種類、場所によってさらに分類されています。
動脈が詰まると網膜動脈閉塞症といい、静脈が閉塞すると網膜静脈閉塞症といいます。
また、根本がつまると網膜中心動脈閉塞症もしくは網膜中心静脈閉塞症といい、
枝の部分がつまると網膜動脈分枝閉塞症もしくは網膜静脈分枝閉塞症といいます。
網膜動脈閉塞症については早急な治療が必要となりますが、
早期に治療できても視力が低下し、治すのが難しい病気です。
『網膜の静脈が詰まってしまうと…』や『網膜静脈分枝閉塞症』などをご参考ください。
また、冬になると空気が乾燥してきます。
眼自体も乾燥しやすくなり、ドライアイが悪化することがあります。
また、空気中にハウスダストなども飛散しやすくなりますので、
アレルギー性結膜炎も悪化することがあります。
寒くなると血管に関係した病気が増えてきます。
血圧の管理や空気の乾燥などに注意して冬を乗り越えていきましょう。