硝子体手術で使用するガスについて
前回、硝子体手術後は姿勢の維持が必要な場合があることを
おはなしいたしました(硝子体手術後の姿勢の維持)。
今回は使用するガスについて述べてまいります。
硝子体手術において使用するガスにはSF6(六フッ化硫黄)ガス、
C3F8(八フッ化プロパン)ガス、空気、などがありそれぞれ特性があります。
SF6ガスは眼内に注入して24時間後に約2倍に膨張する特徴があります。
その力によって網膜を押し付け、病気を治します。
注入したガスはすこしずつ吸収され、約2週間程度で眼内からなくなります。
C3F8ガスは眼内に注入して72時間後に約4倍に膨張する特徴があります。
そのため、網膜を押し付ける力は非常に強いです。
これも吸収されていきますが、そのスピードは遅く、眼内に3~4週間程度は残存します。
空気に関しては膨張することはありません。
そのため、網膜を押し付ける力はそれほど強くはありません。
これも吸収されていきますが、約1週間~10日程度で眼内からなくなります。
ガスは、気圧によって膨張するため、
眼内から完全になくなるまでは飛行機には乗れませんし、
高いところや山岳部は行かないよう、気を付ける必要があります。
いずれのガスも浮力を利用するため、術後下向きの姿勢が必要となります。
下向きを継続していると肩や腰が痛くなってきやすいですが、
ガスが入っている期間にしっかり治るようにしておかないと再手術が必要なこともあります。
マッサージをしたり湿布を使用したりしながら対応してみてください。