緑内障のレーザー治療
緑内障の治療のためにおこなうレーザー治療には主に二通りの方法があります。
一つ目はLI(周辺部虹彩光凝固術)というレーザー方法です。
このレーザーは狭隅角の状態のかたにおこなわれます。
狭隅角は、以前『狭隅角について』で述べたように、
虹彩と角膜のあいだが狭くなってきた状態です。
水晶体が分厚くなってきたり、前のほうに移動してきたときに起こりやすい状態です。
眼圧が上昇してくるようになれば治療が必要となりますが、
薬で狭隅角を改善することはできませんので、
レーザー治療や手術による治療がおこなわれます。
このときにおこなわれるレーザーはLIといわれるレーザー法で、
レーザーにより虹彩に穴をあけることで房水が流れるためのバイパスを作成します。
それにより虹彩と角膜の間を広くし、眼圧の上昇を抑える治療です。
二つ目はSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)という方法です。
緑内障点眼をしているにもかかわらず、なかなか眼圧が下がりにくい方や、
点眼の副作用で点眼の継続が難しい方におこなわれることが多いです。
房水の排出口である線維柱帯にレーザーを当てて刺激することで、
房水の流れを良くし、眼圧の下降を図ります。
効果が出にくい方もおられますが、有効であれば2~3年は眼圧の維持が可能で、
何回も照射することが可能です。
緑内障のレーザーは手術には効果が劣りますが、外来で簡便にできる治療法の一つです。
点眼でなかなか眼圧のコントロールが難しい方は試してみるのも一つの手かもしれません。
当院でもおこなっている治療ですので、気になる方はご相談ください。