緑内障のOCT検査
最近はOCT(光干渉断層計)による検査が必須となっています。
網膜を断面で調べることができ、その分厚さや形態を評価することができ、
眼底検査での補助に役立っています。
この検査が緑内障に関しても応用され、経過観察をおこなう際に利用されています。
その一例として、以下のような写真での表示があります
(機種などによりさまざまで、評価方法もいろいろあります)。
これは緑内障患者さんに対して網膜の厚みを測定したものです。
左側に右目の結果が、右側に左目の結果が表示されています。
一番わかりやすい、灰色で示された写真を見てみましょう。
右目の写真を拡大してみました。 神経の厚みが薄くなっている部分が 赤および黄色で示されています。 この方の場合、 真ん中から下のほう中心に 神経が薄くなっていることが わかります。 網膜の障害と、 実際の見え方は上下左右逆転します。 そのため、この方の見え方は、 上のほうが見えにくくなります。 |
実際、視野を測定してみると、 上方に見えにくい部分が あることがわかりました。 |
視野検査は検査に時間がかかりますが、
OCTはそれほど検査時間がかからず、
負担も少ない検査です。
どちらかの検査のみで判断するのではなく、
検査の組み合わせで判定している先生が多いと思います。
緑内障はなかなか自覚症状が出にくく、
出てしまうようになればかなり進行している可能性がある、厄介な病気です。
40歳以上の方の約5%が緑内障を持っているといわれていますが、
現在健康診断などではあまり緑内障の詳しい検査などは
おこなわれていないところが多いと思います。
40歳以上の方は年1回くらいは眼科で検査を受けるとよいと思います。