蒸発亢進型ドライアイ
今回はドライアイの中で、『涙の質が悪い』タイプである蒸発亢進型ドライアイのおはなしです。
このタイプは、涙は出ているのに乾燥感がある状態になってしまいます。
どういうことか、みていきましょう。
実は涙は水だけでなく、油分、ムチンといったものが含まれ、
眼の表面に近いほうから層になっています。
順番としては、眼の表面に近いほうから『ムチン層』『水層』『油層』となっています。
そして、蒸発亢進型ドライアイのかたは、この中で『油層』が不安定になっていることが多いです。
『油層』がしっかりしているおかげで涙が蒸発していくことを防いでいるのですが、
『油層』が不安定だと涙が蒸発しやすくなります。
そのため、涙は出ているのにドライアイの症状が出るようになってしまいます。
このタイプのドライアイを蒸発亢進型ドライアイといいます。
『油層』の油分は、まぶたにあるマイボーム腺という部分からでてきます。
このマイボーム腺に異常が出てくると油の質や量が変化してしまい、
蒸発亢進型ドライアイになってしまいます。
そのため、蒸発亢進型ドライアイの治療には点眼治療だけでなく、
マイボーム腺に対しての治療をすると効果が出やすくなります。
マイボーム腺の治療についてはまた改めておはなししたいと思います。