体位と眼圧

眼圧は水の流れからなるため、さまざまな因子によって微妙に変化しています。

その中で、体位によって変化することも知られています。

仰向けで寝ている状態と座っている状態では、仰向けで寝ているほうが眼圧は高くなります。

仰向けで寝ている状態と、うつ伏せで寝ている状態ではうつ伏せのほうが眼圧は高くなります。

なんとなくお分かりになったかと思いますが、

眼圧には心臓の高さとの位置関係が関連しています。

眼圧をつかさどっている房水は、もともとは血液からできています。

血液は心臓から拍出されますので、心臓から高い位置に目があると眼圧は低くなり、

心臓より低い位置にあると眼圧は高くなるということになります。

最近、前立腺の手術などがロボット手術でおこなわれるようになっていますが、

その手術は仰向けと比べて頭が約25度下がった姿勢でおこなわれます。

そのため、手術中は眼圧が上がっていると報告されています(日臨麻会誌. 2017.)。

緑内障患者さんでは緑内障が悪化するリスクが考えられますので、

術前に眼科での診察が推奨されています。

さらに、近年ヨガが流行していますが、

ヨガの憧れのポーズ、シールシャーサナは

倒立の姿勢となるそうです。

健常者でも倒立では眼圧が約2倍にまで

上がってしまうと報告されています

(Ophthalmology. 2006.)ので、

緑内障患者さんでは注意が必要と思います。