炎症について

病院に行くとよく『炎症』をいう単語を

耳にされるかと思います。

眼科でもよく炎症が起こっている

患者さんが来られます。

炎症とはどういったことか、

掘り下げていきたいと思います。

 

炎症とは、何らかの刺激(傷や感染、環境の変化など)に対して

人間の体が反応することをいいます。

発赤、腫脹、疼痛、発熱、機能障害の5つを炎症の5兆候といいます。

発赤…赤く変化すること

腫脹…腫れあがること

疼痛…痛みが出ること

発熱…熱を持つこと

機能障害…その部分が動かしたりしにくくなること

これらに加え、内科などでは採血でCRPという項目をチェックします。

CRPは炎症の強さを評価する指標で、

この数値が高いと体の中での炎症が強いということになります。

 

炎症は急性炎症と慢性炎症に分類されます。

急性炎症は傷や感染などに対する反応、

慢性炎症は糖尿病や加齢による変化などに対する反応のことをいいます。

臨床で問題となるのは急性炎症のほうであることが多いです。

 

目に関しては、手術後や外傷後、結膜炎やぶどう膜炎などといった病気で炎症を起こします。

炎症が起こると充血していることが多いです。

炎症が強い場合、痛みが出たり、見え方に異常が出てきたりします。

診察の結果、炎症を起こしていると判断した場合、治療として点眼薬を処方します。

炎症を抑える点眼もいくつか種類があり、

代表的なものにステロイド点眼とNSAIDs(エヌセイド)点眼があります。

ステロイドは炎症を抑える効果が強いです。

ただ、長期で使用すると目の副作用としては緑内障、白内障などがあるため注意が必要です。

NSAIDs点眼はステロイド点眼のような副作用はありませんが、

点眼の時に刺激感が出る方がおられます。

いずれも炎症の治療には必要な点眼ですので、自己判断で中止したりせず、

主治医の指示に従って使用していただきますよう、お願いいたします。