白内障について
今回は、比較的身近な病気である『白内障』について説明したいと思います。
「知ってる知ってる、白内障って水晶体が濁るんやろ」
と言われればそれまでなんですが、もう少し詳しくみていきましょう。
白内障とは、水晶体が何らかの原因で濁ってくる病気です。
濁ってくる原因はさまざまですが、 一番多いのは加齢によるものです。 その他には外傷によるもの、 紫外線によるもの、 糖尿病によるもの、 薬による副作用など があげられます。 |
そして、濁り方にもいくつかの種類があります。
ここで、もう少し水晶体について詳しくみていきましょう。
水晶体の構造
水晶体はレンズの形をした組織ですが、 3層構造でできています。 中心の部分を核、一番外側に薄い袋があり、 その袋を水晶体嚢(すいしょうたいのう) といいます。 水晶体嚢は真ん中の赤道部と いわれる部分を境に、 前を前嚢(ぜんのう)、うしろを後嚢(こうのう) といいます。 |
そして、水晶体嚢と核の間を皮質というやわらかい組織がつないでいます。
おまんじゅうの断面みたいですよね。 一番外の薄皮が水晶体嚢、 真ん中のあんこが核、 まわりの皮が皮質 といった感じです。 |
白内障の分類
この核、皮質、水晶体嚢のどの部分が濁るかで症状にも違いが出てきます。
核が濁る核白内障(かくはくないしょう)は、暗く感じるような見え方をするかたが多いです。
このタイプは進行すると近視がすすむこともあります。
基本的には加齢による変化で起こってくることが多いです。
皮質が濁る皮質白内障(ひしつはくないしょう)は、
まぶしく感じたり、二重に見えたりするかたが多いです。
夜間運転の時に光がにじみやすく感じたり、
月がダブって見えたりするとおっしゃるかたが比較的いらっしゃいます。
紫外線や外傷によるもの、糖尿病に伴う変化で起こることが多いです。
水晶体嚢の後嚢に濁りがでる後嚢下白内障(こうのうかはくないしょう)がでるかたも
いらっしゃいます。
この場合、すりガラス越しにみているような、
ぼやけた感じの見え方をおっしゃるかたが多いです。
ステロイドなどの薬の副作用などで起こることが多いです。
白内障の治療
いずれのタイプでも治療は同じです。
①点眼
見え方にそれほど支障を感じておられないかたには点眼で様子を見ていただくことも多いです。
ただ、すでに濁ってしまったものを取り除くことはできません。
今後あらたに進行してくるのを予防する作用があります。
②内服
白内障にも漢方薬などの飲み薬があります。
最近あまり処方されなくなりました。
これもすでに濁ってしまったものを取り除くことはできず、進行予防の目的となります。
③手術
現在は手術自体がかなり進歩したため、安全におこなわれるようになっています。
眼の負担も少なくてすむため、見えにくさを感じるようになっていれば第一選択になります。
以上、白内障についてのお話をさせていただきました。
白内障はさまざまな症状を来たしますので、
気になる症状があれば眼科でご相談してみてくださいね。